僕の仕事はチームが行きつく先の筋道を示すこと(vol.7)

群馬クレインサンダーズ
ヘッドコーチ 水野 宏太

試合中、ベンチで頻繁にカイル・ベイリーAC(前列左から3人目)と話す水野宏太HC(左から2人目)=2022年12月14日レバンガ北海道戦、太田市運動公園市民体育館

B1昇格2年目のサンダーズは12月18日現在、千葉ジェッツ、アルバルク東京に次いで、東地区3位につける。水野HCが目指すのは、「互いに助け合うことができるチーム」である。それは選手ばかりでなく、スタッフも含めてである。水野HCの指導についての2回目。

サンダーズは今季、スタッフ陣を充実させ、水野HCは彼らが能力を発揮するための環境づくりにも気を配る。

例えば、アシスタントコーチ(AC)のカイル・ベイリー氏について水野HCは、「カイルは、本当にいろんなところで僕を助けてくれます。カイルはプロの選手経験のあるコーチだからこそ、僕だと気づかないことなどに気づいて助言をくれます。しっかりとコーチとしての助言を持っているので、一部の練習を彼に任せることができます。チームが良くなっているのは僕だけの力じゃなく、カイルがこのチームのためにやってくれていることがすごく大きいですね」と全幅の信頼を置く。

また、チームは今季から新たに身体トレーニングの専門家であるストレングス&コンディショニングコーチに、和田洋明氏を招聘した。

「ラグビー界で長く活躍されてきた方で、通常、バスケット界ではやらないようないいものをこのチームにもたらしてくれています。『こういうチームになりたい』という僕の思いをしっかり理解した上で、『じゃあ、夏からこういうトレーニングをしていかなきゃいけない』とスケジュールを立ててくれているので、本当にいいチームを作れているなと感じます。また、選手のコンディションを試合に向けピークに持っていくやり方や日々の練習の強度なども含めて、大きな役割を担ってくれています。僕も勉強になります」と信頼を寄せる。

さらに、コーディネーター兼サポートコーチの東山真氏についても「コート外での選手へのサポートや通訳として外国籍選手やチームスタッフへのサポートなど多岐にわたって、自分の手の回らないことに対して気遣いをしてくれます」というように、スタッフのことを尋ねると一人ひとりの名前を挙げて感謝の気持ちを口にする。

「僕の仕事はチームが行きつく先への道筋を示すことなんだなと思います。こうして皆でチームを作っているので、皆さんにはそこも見て欲しいと思います」と、良い組織作りも大切だと水野HCは教えてくれた。(星野志保)

みずの・こうた

1982年8月2日生まれ、東京都出身。都立駒場高校からウエストバージニア大学に進学し、コーチの勉強を始める。帰国後は、ACとしてリンク栃木ブレックス、男子日本代表、レバンガ北海道で指導の経験を積み、2013-14シーズンにシーズン途中で北海道のHCに就任。2018年からさらにバスケを学ぶためにアルバルク東京のトップACとなり、今季からサンダーズにHCに就任。

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