笹川裕昭のスポーツコラム(月1回掲載予定)
次世代ヒロイン澁澤莉絵留選手の活躍を期待
毎年のように、ニューヒロインが相次ぎ、空前の盛り上がりを見せる日本の女子ゴルフ界。次なるヒロインとして活躍が期待されているのが、太田市出身で、プロ3年目を迎える澁澤莉絵留(りえる)選手(21=清水建設)だ。
澁澤選手は、2019年にプロテストに合格。統合シーズンとなった2020‐21シーズンで、国内女子ツアーデビューを果たした。アマ時代から活躍してきた2000年頃の生まれの同年代とともに、「プラチナ世代」の1人として注目されたが、レギュラーツアーでは19試合で、トップ10入りは1度もなく、悔しいシーズンになった。澁澤選手は、「思ったような結果が残せず、すべて中途半端で終わってしまったのが反省点」と振り返った一方で、「オフから計画的に動くようにして、全体的にレベルアップできた」と話すなど調子は上向き。「ドライバーの飛距離が10ヤードぐらい伸び、得意だったショットもより安定させられるようになった上、ちょっと悩んだパターもイチから見直すことができた」と巻き返しに向け、意欲を見せている。
シーズン前には、前橋市出身で、ツアー2勝のシード選手として活躍する青木瀬令奈選手(29)とも練習を共にした。澁澤選手は「瀬令奈さんは、毎年安定して上位で戦い、シードを守っている選手。一緒に過ごし、様々な質問もさせてもらった。とても勉強になり、充実した時間が過ごせた」と、同郷の先輩から飛躍に向けたヒントをつかんだようだ。
群馬は、全国的にもゴルフ場が多く、実力あるプロを多数輩出するなど、ゴルフ競技への関心が高い。その群馬のファンが応援していることについて澁澤選手は、「調子が悪い時、落ち込んでいる時こそ、ファンの皆さんからの言葉が自分自身に響く。応援してくれる地元の皆さんに、まずは優勝という形で恩返しをしたい。好きなゴルフを毎日できて、しかも仕事にできるのは自分にとってとても貴重なことです。ゴルフに関わる時間を大切にしたい」と熱い思いを語る。「ゴルフを通じて多くの皆さんに幸せな気持ちを伝えるためにも、もっと自分が活躍して、世界に出ていくのが夢です」ときっぱりと決意を口にした。
まずはツアー初優勝へ。群馬からニューヒロイン誕生を期待しよう。