笹川裕昭のスポーツコラム(月1回掲載予定)
開幕戦は生まれ変わる一歩に
サッカーJ2のザスパクサツ群馬が、新シーズン開幕に向け、順調な調整を続けています。J1浦和の元監督、大槻毅新監督を迎え、新たな体制でスタートしたザスパは、先月30日から1週間の沖縄キャンプを実施。大槻監督が掲げる「当たり前のことを、当たり前にやる」という大原則の下、攻守におけるハードワーク、プレーの継続性など、チーム始動から取り組んできたことを練習試合を通じ、浸透させようと取り組みました。
大槻監督の指導で際立つのは分析力と伝達力の高さです。練習中の映像やデータを事細かに集め、それを元に選手、チームの状況を把握し、目指すべき方向へと導きます。コロナ禍もあり、全員でミーティングすることも制限されますが、SNSも活用し、必要な指示を選手たちに送って、チーム力向上に繋げています。J2相模原から新加入の平松宗選手は、「監督の言葉は記憶に残りやすく、指示の一つひとつが入ってきやすい」と話すなど、大槻サッカーを理解するのに時間は掛かりません。
ただ、すぐに結果に繋がる訳ではなく、J2琉球から新加入の風間宏希選手は「理解したものを試合で表現するのが一番難しい」と話します。相手がいる様々な状況で、どう表現するか、守備で相手に負けない強さや、攻撃でも精度の高いプレーをいかに出せるか。それが、ゴールを奪い、勝利につなげるために大切になります。地道な積み重ねが必要です。
大槻監督も、「シーズンを通じた成長が大目標」と話すように、開幕戦がすべてではなく、シーズンの中で、どれだけ右肩上がりの成長曲線を描けるかと言うのが大事になるでしょう。それでも、間もなくシーズン開幕戦。我々が期待するように、チームも強い意識をもって向かおうとしています。副キャプテンの岩上祐三選手は、「俺たちが勝たないとサポーターはついてこない。今までを超えるためには勝ちが必要」と勝利の重要性を説きます。大槻監督も、「スタートが、何よりも注目されることもあり、まずは良い結果を届けたい」と思いを語ってくれました。
2月19日の開幕・山形戦は、チーム皆で一丸となって勝利をつかみ、ザスパが生まれ変わる一歩としなければなりません!