笹川裕昭のスポーツコラム
活躍の1年、そして、恩師に負けない更なる飛躍を
今シーズンのJ2リーグも残り1試合となりました。ザスパクサツ群馬は、これまで越えることができなかった「勝ち点50、16位以内」を目標に戦い、いずれもクリア。それどころか、最終盤までJ1昇格をかけたプレーオフ争いを演じてくれました。惜しくもプレーオフ入りには届きませんでしたが、それでも、サポーターにとっては喜びの多い、素晴らしいシーズンになりました。
その中で、中心となったひとりが、地元・太田市出身の天笠泰輝(あまがさ たいき)選手です。加入4年目の今シーズンは、攻守の要であるボランチとして39試合1ゴールを記録し、チームに欠かせない存在として1年を通じて活躍しました。今シーズンのパフォーマンスについて聞くと「自分の思っているようなプレーが出来ている。今のプレーを最低基準にして、もっと上を目指してやっていきたい」と手ごたえを口にします。
天笠選手は昨シーズンも、25試合1ゴールと自身の最多出場となるキャリアハイを記録しましたが、本職ではないポジションでの出場や、シーズン後半は出場機会を減らすなど悔しさも味わいました。持ち前の豊富な運動量と高いサッカーセンスに加え、今シーズンは、ゴールやチャンスに係わろうという積極性や対人プレーでの強さが印象的でした。また、ピッチ外でも、食事や体調の管理などにも気を配り、パフォーマンス向上につなげる取り組みも実を結びました。
そんな天笠選手の恩師といえば、今シーズン、高校サッカーの名門・青森山田高校から同じJ2の町田ゼルビアFCの監督に就任し、1年でJ2優勝、J1昇格に導いた黒田剛監督です。天笠選手にとって黒田監督は、高校時代に青森山田で指導を受けただけでなく、関西大学を中途退学し、プロ入りする際にもアドバイスをもらうなど、特別な存在です。1年で結果を達成した黒田監督について聞くと「率直に言ってスゴイ。だけど、やっぱり悔しい。負けたくない気持ちがある」と話しますが、一方で、「黒田監督に教わったことも活かしていきたい」と恩師の教えを胸に、これからの活躍を誓います。
まずは、残り1試合となった最終戦の大分トリニータ戦で勝利に導く活躍を見せ、しっかりとシーズンを締めくくるとともに、恩師の活躍に負けず、地元を代表する選手として、さらに飛躍してもらいましょう!