笹川裕昭のスポーツコラム
より選手たちに向き合い、トップチームへ、世界へ!
今シーズンのザスパは様々な部分で転換点を迎えるシーズンになります。
クラブの呼称が「ザスパ群馬」となり、オール群馬を意識した呼び方になります。また、長年の夢だったクラブハウス付き専用練習場もオープンし、よりよい環境で、日々のトレーニングも充実したものになります。さらに、これまでクラブとチームがバラバラで活動していた状況も改善され、より一体となった活動ができるようになります。
そして、もうひとつ。高校生以下の子どもたちが所属する育成年代のアカデミーの運営を見直し、今月からクラブが直接、運営することになりました。これまではNPOを立ち上げ、別組織が運営していましたが、再び、クラブ直営となり、こちらも一体となり、育成に取り組みます。
そんなアカデミーを取り仕切るアカデミーダイレクターに上釜広行氏(49)が就任しました。上釜氏は、セレッソ大阪やFC東京など、様々なJリーグクラブで、育成年代の指導者、リーダーとして活躍してきた経験豊かな人物です。上釜氏は、「より高い個を育てたい。そして、トップチームで活躍できる選手、世界に羽ばたく選手を育てたい。また、育成年代は、スポーツを通じた人間形成としての学びの場でもあると思っているのでそうした事も大切にしたい」と抱負を述べています。
育成年代に対する考え方は、各クラブによって様々ですが、自身が経験してきた「結果を出してきたクラブ」の考え方を元に、より選手個々に深く入り込み、関わる事で、選手として、人としての魅力を最大限に引き出す考えです。
また、「指導者の質をもっと高めることが大事」と考え、アカデミーとしてのフィロソフィー(=哲学)を共有すること、そして、時には担当年代の枠を超えて指導にあたり、指導者同士で新たな発見につなげるなど、様々な取り組みを行う考えです。
アカデミーの充実は、トップチームの強化にも直結します。一方、群馬は、全国レベルの高校やクラブチームが多く存在します。こうした地域性があるので、アカデミーの充実は簡単ではないように感じますが、上釜氏は「あくまでも自分たちのスタイルを築き上げていくこと」に注力し、存在を示す考えです。そして、アカデミーはもちろん、他からもザスパのトップチームに入ってもらえるよう「オール群馬で強くなれればいい」とも考えています。
群馬の子どもたちがザスパに憧れ、アカデミーや地元のチームを経て、トップチームの選手となり、日本を、世界を代表する選手になる。2024シーズンが、その始まりの年となることを期待しましょう!