秋の学校行事といえば体育祭だ。群馬では、上毛三山の「赤城」「榛名」「妙義」に加え、「浅間」や「白根」が加わる学校が多いようだ。ちなみに筆者が中学の時は、地元の3地域を代表する山の名を冠する3団で「龍駒」「高岩」「刎石(はねいし)」だった。わが団は赤いハチマキの刎石。伝統の団歌もある。「〽峨峨たる岩の刎石山 古来ゆかしき碓氷路に 西空高くそびえ立つ その姿こそ我らなり」歌詞にある通り碓氷峠のある山だ。
体育は苦手だったが、体育祭は学年や部活の壁を取り払い、普段接点のない学年とも交流を持つことができたので、刺激的でワクワクする行事だった。
メインイベントの応援合戦では団歌に続き、流行りの歌謡曲をアレンジした応援歌を、ダンスも交えて披露。替え歌や振り付けなどを上級生が考え下級生に伝授する。アイデアやセンスを絞り出しながら全員で一つの形を仕上げていく過程は、クリエイティブで有意義で、楽しい時間だった。
緊急事態延長を受け、娘にとって中学最後の体育祭は無観客で、学年ごとに日を分けて行われるのだという。勝つための作戦を、皆で頭を寄せ合い、悩んだりすることもなく本番を迎えるのだろうか。青春の思い出が、これ以上、奪われませんように。
(上原道子)