「青春は短し、もがけよ乙女」夜の校舎の壁面いっぱいに文字が浮かび上がった。今月5日に沼田女子高で行われた創立100周年記念のプロジェクションマッピング。生徒らが作ったムービーは、コロナに翻弄された学校生活と100年の歴史を投影した。
生徒や先生の「沼女愛」に感動して帰宅。「東京のわが母校は?」HPをのぞくと、14年前から都立中高一貫校になり、校舎もスタイリッシュに。一方、校歌や校章は昔のままで懐かしさがこみ上げる。中学生は制服着用だが、高校は在学中と同じく私服を貫いていた。
一見、楽しそうな雰囲気が伝わるが、緊急事態により、自宅オンライン学習や分散登校、さらに部活動中止など、群馬よりも深刻な状況が伺えた。
当時の自身は、同級生や先生に見守られ多感な時期を過ごした。生意気にも「生きるとは」「自由とは」と青臭い悩みで、興奮して眠れない夜もあった。
そういえば一つ上の学年には映画監督の是枝裕和さんがいた。難題で有名な科目の定期試験では、優等生だった是枝先輩のテスト用紙を過去問として見せてもらい、やっと平均点を維持。
高校時代は短く尊い。十分にもがいた生徒たちに、もがいている大人として、できる限り協力をしたい。
(谷 桂)