一杯のコーヒー [涼しくなり温かいコーヒーがおいしい季節になった…]

上州日和タイトル

涼しくなり温かいコーヒーがおいしい季節になった。先週は県内の高品質な「スペシャルティコーヒー」を扱っているこだわりある焙煎カフェを特集した。
 
ある店を訪れて豆のメニューを見ると、南米ブラジルやアフリカのエチオピアなど、熱帯の生産国のものが並んでいる。普段はブレンドとかアメリカンしか飲んだことなく、豆から選ぶことはあまりない。「フルーティーで浅煎り」という文字に魅かれて、ブルンジというアフリカの小国で生産された豆を選んでみた。豆の名は、「キンヨブCWSブルボンウォッシュド」というらしい。
 
長い名前は何度聞いても覚えられなかったが、「キンヨブCWS」は農園名、「ブルボン」は豆の品種。「ウォッシュド」とは、生産処理方法で、コーヒーチェリーを水に浸し発酵させる工程を表示している。「つまり、特定農家の魚沼産コシヒカリ天日干し」という言い方に近いのかなと置き換えて納得する。
 
自宅でひきたての豆の袋を開けると、ぶわっと今まで経験したことがない良い香り。脳細胞がプチプチっとはじけて目覚めたよう感覚だ。遠くの国から群馬にやって来たコーヒー豆。一杯のいれたてのコーヒーの香りを楽しみながら、褐色の液体がカップに入るまでの長い道のりに思いをはせた。

(谷 桂)

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