まっ白なモフモフの体に、まん丸のつぶらな瞳。小原玲さんの撮るアザラシの赤ちゃんや野鳥シマエナガの写真は、目にした瞬間、「カワイイ」と声を上げてしまうような愛くるしさに満ちている。
前橋高出身で大学卒業後は報道写真家としてスクープを連発した。「世の中を明るくする写真を撮りたい」と動物写真家に転身。最近はユーチューブでも動物動画を精力的に発信していたので、急逝の一報を聞いた時は耳を疑った。
初めてお会いしたのは6年前。弊社などが企画するフォトコン審査員の就任を機にインタビューをさせて頂いたが、ご自身の動物写真と同様、丸い体に弾ける笑顔が実にチャーミングだった。小原さんのポートレートを撮る際は、アングルや露出などプロのテクニックを惜しげもなく教えてくれて、随分、懐の深い人だなあと思ったものだ。
最後にお会いしたのは、昨年末のフォトコン審査会。応募作を真剣に審査してくれたが、休憩時間に糖質ダイエットやコロナ感染予防法など他愛もない話で大いに盛り上がったのを覚えている。
「見る人の人生を豊かにする写真を撮りたい」 取材時、ニコニコと語ってくれた小原さん。その言葉通り、作品を通して多くの人を幸せにしている。享年60。ご冥福をお祈りします
(中島美江子)