スポーツ [決して運動神経が良いわけではない私だが…]

決して運動神経が良いわけではない私だが、学生時代その時々好きな部活でスポーツに親しんできた。どれも〝ほどほど〟だったからかもしれないが、先生に強く叱られた記憶もなく、部活には楽しかった思い出しかない。

しかし、スポーツの世界では時々、勝利至上主義が招く「行き過ぎた指導」が問題になる。この春も高校サッカー部コーチによる部員への暴力行為が明るみになり、今まさに部活に励む子供を持つ親の立場として、そのニュースを注意深く見つめた。勝敗がつきもののスポーツではどの競技も目指すのは勝利だろう。しかし、勝ちにこだわるあまり、感情的になりすぎる指導を目にすると疑問がわく。怒りをコントロールすることの難しさは私も知っている。だからこそ手本となる指導者はそこに挑戦して欲しいと強く願う。

元バレーボール日本代表の益子直美さんが主催するユニークな大会がある。自身が選手時代、ひたすらどなられ続けた経験から、参加チームの監督に「絶対に怒らないこと」をルールと課す。すると子供たちは、ミスを恐れることなくのびのびとプレーをし、主体性を持って試合に臨むようになるという。そこにスポーツの本来の姿があるのではないだろうか。

(塩原亜希子)

 

 

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