最近、夫の料理の腕が上達している。特にクリームパスタ。白いソースに緑のホウレンソウやピンクのベーコン、赤いミニトマト、シメジが入る時もある。彩り鮮やかで、どこかおしゃれ。クリームなのに、しつこくはなく、なかなかの味わいだ。
以前は、チャーハンなど「男飯風」のものだったが、それとは明らかに違う。変化のきっかけは、レシピ動画を見るようになったからだろう。本人が言うには、「料理の基本を知らないから、『塩少々』とか『適量の水』の見当や、『はしで混ぜるのかスプーンなのか』も分からず、やる気にならなかった」という。動画を見ることで、不安を払しょくできてイメージがつかめ、行動につながった。材料をキッチリと計量して、レシピ通りに調理するから、目分量の私と違ってちゃんとおいしいのだ。
子どもが育ち上がって二人の生活。お互いに仕事もあるから、休みの日や早く帰った時、手の空いた方が食事を作ればストレスも少ない。「買い物に行ったら、品物が高くなっていた」「今度は具材を変更してみよう」など、たわいもない話で食卓も盛り上がる。最後は、しっかりと大きな声で「ごちそうさま」を忘れずに。そして「レシピ動画ありがとう」と心の中でつぶやいている。
(谷 桂)