世界中が熱狂したW杯カタール大会が閉幕。日本代表の活躍に心躍り、ある言葉でさらに盛り上がった。それは、「ブラボー」。逆転で勝利したドイツ戦、リーグを突破したスペイン戦。いずれも終了後に発せられた長友佑都選手の「ブラボー」に気持ちが高揚した。
思えばコロナ以降ずっと、誰かを大声で応援することができなかった。目の前のプレーヤーのパフォーマンスに、遠慮しながら「パラパラ」と拍手。
そこに長友選手の「ブラボー、ブラボー、ブラボー!みんなブラボー!」の連発。超えられなかった壁を乗り越えさせてくれた気がした。まさに「新しい景色」が見えた瞬間だった。
「ブラボー」という言葉は、普通、観客がプレーヤーに向かって発するイタリア語。長友選手の場合はプレーヤー自らが、チームメイトや監督、スタッフ、サポーターに向け、誰も取り残さない「ブラボー」になっていたように思う。
サッカーだけでなく、音楽のコンサートでも、聞かれなくなった「ブラボー」。コンサートから帰る車の中で、言いたくなりムズムズ。ピアニストにスタッフに向けて「ブラボー、ブラボー」と叫んで、今年を締めくくることができた。
来年が皆様にとって、「ブラボー」な年になりますように。
(谷 桂)