全国の実業団所属選手が元日の上州路を駆けるニューイヤー駅伝。今年は3年ぶりに「応援自粛」がない上、自宅近くの「3区」に、東京五輪男子マラソンで8位と健闘した大迫傑(おおさこすぐる)選手が登場すると聞き、家族で繰り出した。
沿道には、名選手の走りを一目見ようと多くの人がスマホ片手に詰め掛けていた。先頭集団を撮影するテレビ局の車両が見え、緊張感とワクワク感が増す。大迫選手は何番に走ってくるのか。ユニフォームの色は?
予習しなかったことを反省しているうちに、次々とランナーがやってきた。あっという間に10人ほど通り過ぎ、続いて7、8人が団子になってやってきた。誰が誰だか全くわからないが「頑張れ」とマスク越しにエール。「今の! 帽子の!」夫が叫ぶ。ああ、見逃した!
それにしても大迫に限らず、どの選手も皆、当たり前だが速い。テレビでは悠々と走っているように見えるが、アスファルトを蹴る足や大きな腕振りの力強さを間近で感じることができた。
帰宅後、スマホでビデオを見返す。辛うじて黒いキャップをかぶった大迫選手が撮れていた。結果的に区間2位の走りで11人抜きを達成したとか。何かご利益があるような気がして早速、待ち受け画面に設定した。
(上原道子)