片付けが苦手だ。資料類でいっぱいの机、パンパンの洋服ダンス。特に懸案なのが、詰め込み過ぎて重量オーバー気味の本棚だ。ずっと見て見ぬふりを続けてきたが、流石にマズイ。
新年度が始まる前に心機一転。本棚のアップデートを決意する。まずは棚から、恐らくもう２度と読まないなという本をピックアップ。一時期ハマっていたエッセイストの文庫や著名作家の小説、用済みの実用書、数年前の情報雑誌などが、どんどん積み上がっていく。
時折、思いがけないものに遭遇することも。マイナンバーカード申請時に必要だった通知カードを発見した時は、「なぜ、ここに？」と狼狽したものだ。
やり始めて思ったのは本棚の片付けは奥深く、脳をフルに使う作業だということ。その時々で自分が何に夢中になっているのか、何に悩んでいるのか、何に価値を置いているのか、そんなことを気付かせてくれる。大切なもの、そうでないものが浮き彫りになり、頭や心がクリアになった気がする。本を整理することは、自分自身と真摯に向き合うということなのかもしれない。
とはいえ、本棚はまだ３架ある。スッキリ新年度を迎えるため今月末、気合を入れて片付け、本棚と自身の更なるアップデートに励みたい。
（中島美江子）