遠距離介護 [今年、東京に住む両親が卒寿と米寿を迎える…]

上州日和タイトル

今年、東京に住む両親が卒寿と米寿を迎える。90歳と88歳だ。私たち娘が家を出て、二人だけの暮らしが長い。「この機会に、お祝いの会をしたい」と両親が自ら言い出したので、善は急げと3月吉日に家族で集合した。

晴れの日とあって、親はスーツを着て、うれしそう。店のマイクロバスが到着すると、腰を曲げながらゆっくり歩く。スピードは遅く、膝に痛みもある様子で、乗り込むのがやっと。外出が大変だ。宴会は盛り上がったが、足腰の動きだけでなく、健康上の不安もあった。「元気そうだけど、手伝った方がいい」と皆が感じたが、問題の一つは遠距離ですぐにサポートできないということ。

後日、役所の高齢者支援課や地域包括支援センターを調べて相談すると、「遠い方の相談は多いですよ。これからは、介護を一緒にやっていきましょう」と心強い言葉をもらった。親にも支援のことを伝えると、「機械(ネット環境)がないから分からなかった。ありがとう」と言ってくれ、ほっとした。遠距離介護をしているのは介護をしている人の13・6%(2019厚労省調べ)とか。これまで長生きしてくれたことに感謝すると共に、「介護ロード」を歩む春が来たと実感。今後は公的支援も利用しながら、サポートに当たりたい。

(谷 桂)

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