先月、夫が帰宅するなり「今、何かの動物が用水路から出てきて車の前を横切った」と言う。見ると水路わきのアスファルトが直径50㌢ほど丸い形に濡れていて足跡のようなものが点々とある。住宅と農地が混在するこの界隈。タヌキやイタチは見たことあるが…。
その晩、どこかから「クルルルル」と聞き慣れない鳴き声が。外へ出てみると、お向かいのブドウ棚がワサワサ揺れている。暗くてよく確認できなかったが確実に何かの動物だ。スマホで検索すると声の主は「アライグマ」と判明。
野生のアライグマが前橋にいるなんて。ちょっと感激し、さらに調べる。特徴は、木登りと泳ぎが得意で、水辺で目撃されることも多いと書いてあった。
これだ。姿を見てはいないが確信に変わった。水路では何か食べ物を洗っていたのか? 今度見つけたら、スマホで動画でも撮っておこうか…。
いや、それはNGだ。今、全国的に急増し、農作物にも被害を与えている害獣なのだという。前橋市もHPで注意喚起を行っている。昔のアニメの影響で、人懐っこく可愛いイメージだが、実は気性が荒く、人に危害を加えることもあるとか。知らぬ間に身近な存在になりつつあるこの小動物に、好奇心で近づくのはやめておこう。
(上原道子)