コーヒーと縁 [先週、高崎市役所前の公園で行われたイベントへ出かけた…]

前号で紹介した高崎のイベントへ先週、出かけた。全国の約30店舗のこだわり自家焙煎所が集結した、群馬コーヒーフェスティバルだ。まずは受付で4枚綴りの試飲券を購入。開場直後なのに、どの店も長蛇の列だ。世間にコーヒー好きが多いことを物語っていた。

取材した際、主催者が「ぜひ会話を楽しんで」と語った。ただ買って飲むだけではつまらない。広場に並んだテントに1軒ずつ声をかけながら吟味する。

どちらのお店ですか?「東京です」 煎り方は?「深煎りですよ」 私、深煎り派なんです! 「だったら向こうの茶色のテントの福井のお店もおすすめですよ」―最初の1杯は、他店の情報も気さくに教えてくれるこの店に決定。ネルドリップで丁寧に落としてくれた。

ひき立ての豆の間から繊細な泡と香りが立ち上る。出来上がりを待つ間に、友達もできた。高崎市内在住で、あちこちの焙煎所をチェックしているという。別れ際にはLINEまで交換。さっきまで赤の他人だった人とコーヒーを通してつながった嬉しい瞬間だった。

彼女が「味に感動した」というカフェに近々行ってみよう。図らずもできた〝縁〟のありがたみとコーヒーのおいしさをしみじみと味わいながら、忙しい年の瀬を乗り切りたい。

(上原道子)

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