風薫る5月。愛犬との散歩が気持ちいい季節になった。犬も機嫌よく尻尾を立てテクテク歩く。気になる場所があると立ち止まって、ひたすら匂いを嗅ぎ続けている。早く先に進みたい私はリードを引いてせかしてしまう。道路に踏ん張り必死に抵抗する犬との我慢比べが続く。
調べると散歩中に地面や電柱などの匂いをクンクン嗅ぐ行動を「クン活」というらしい。犬は人間の100万~1億倍の嗅覚を持ち、匂いを嗅ぐことで自分のいる場所、通りかかった他の犬などの細かい情報収集をしている。
今年の冬は特に元気がなかった愛犬。老化のせいだと思っていたが「クン活」が活発になるにつれ元気が戻った。「クン活」は犬自身の脳の活性化にもなり、ストレス解消にもいいようだ。楽しみの時間を奪っていたのかと反省。せかさずにゆっくり匂いを嗅がせてみる。すると私も風や花の匂い、木々の緑など季節の変化を実感し、リフレッシュできることが分かった。
色んな情報を得たいのだろうが、他の犬の排泄の跡や鳥の糞の匂いを嗅ぎたがるのが困るところ。細菌などの感染リスクがあるので近づけたくないが、互いにストレスにならないよう注意しよう。私自身も情報を集め、一緒に「クン活」を楽しんでいけたらと思う。
(森作理恵)