群馬県指定重要文化財 1978(昭和53)年10月13日指定
県内唯一 明治期の洋風小学校
この建物は、1885(明治18)年に吾妻第三小学校として建てられました。
明治政府は72(同5)年に学制を発布し、全国に小学校が設置されました。中之条町では伊勢小学校が73年に開校すると、82年までに中之条小学校、市城学校、柴宮学校が開校し、これらが統合され85年に吾妻第三小学校となりました。
校舎の建設では、県令楫取素彦、郡長真野節らの指導や、戸長町田儀平及び県議田中甚平らの働きかけによって計画が進められました。建設が始まった83、84年は凶作と不況で世情は不安定な中、一般町民は労力奉仕を行い、二年後に校舎は完成します。総工費は町の年間予算が1620円のところ、なんと5200円でした。
設計者は不詳ですが、建物の構造は「小学校建築心得」に準拠した凹字形の木造二階建てで、寄棟造り、外観は擬洋風、内部は和風となっており、群馬県にただ一つ残された明治期の洋風小学校として貴重な建物です。白の壁に青の窓といった可愛らしい外観が特徴です。また、校舎内の階段踊り場から一階廊下を見ると、開校当時のままの床板と吊るしランプが趣深い光景を作り出しています。
1918(大正7)年から78(昭和53)年まで中之条町役場庁舎として使用されていました。80年から復元工事が行われ、現在は中之条町歴史と民俗の博物館「ミュゼ」として使用されています。博物館として、文化財として、町の歴史を今に伝えています。
きてみて
歴史と民俗の博物館「ミュゼ」
吾妻郡中之条町大字中之条町947-1/ 0279-75-1922 /午前9時~午後5時/毎週木曜休館、年末年始(12/27~1/5)休館/入場料一般200円、小中学生100円/ミニ企画展「かるた展」(1/6~1/15)、企画展「第34回ひなまつり展/懐かしいむかしの道具展」(2/14~3/15)