国指定重要文化財(1994年12月27日指定)
鉄道の歴史物語る 最盛期の煉瓦造り建築 4年ぶりに内部公開
丸山変電所は、JR信越本線の横川駅から遊歩道・アプトの道に入って30分ほど歩いたところにあります。碓氷線(横川―軽井沢間)の電化に伴い、1911(明治44)年に建設されました。峠越えを支えるアプト式機関車に、発電所からの電気を供給するためです。煉瓦(れんが)造り建築の最盛期のもので、その堂々とした姿が、鉄道の歴史を物語っています。
建物が2棟あります。東側が蓄電池室、西側が機械室です。
蓄電池室には計312個の鉛蓄電池が並べられ、発電所から供給された電気を蓄えて、電気機関車に供給していました。充電中は硫酸雲霧が発生するため、窓、引き戸などに通風に適する特殊設計が施されています。その後、新型電気機関車の導入により大量の鉛蓄電池は不要になりました。
一方、機械室には、変圧器と回転変流機、昇圧機が設置されていました。発電所から送られてきた電気の電圧を変え、交流から直流へ変換し、蓄電池室内の蓄電池と電気機関車へ送電していました。新しい機械を導入し外部から電気を購入することになってからは、倉庫として使用されました。
その後、63(昭和38)年のアプト式の廃止に伴い変電所はその役割を終えましたが、建物は残され、94(平成6)年には国指定重要文化財に。97年の碓氷線廃線後、保存修復工事が行われ、2002年には外観・屋根が建設当初の姿に復元されました。
普段は外観のみ見学ができますが、今秋、実に4年ぶりに内部公開を行います。旧碓氷線の写真や資料展示、ガイドによる解説もありますので、ぜひお越しください。
■きてみて■
旧碓氷峠鉄道施設 丸山変電所/安中市松井田町横川字丸山1256-5(「遊歩道アプトの道」横川駅~峠の湯間)/問い合わせ:同市学習の森(ふるさと学習館) ℡: 027-382-7622
※内部公開/10月28~30日、11月3~5日、11日の各日午前10~午後3時/入館無料