江戸小紋の美・技を追求
江戸小紋師・藍田正雄さん(1940~2017年)をしのぶ特別展「追悼 藍田正雄展~伝統を貫いた江戸小紋人生~」が、高崎の県立日本絹の里で開かれている。7月8日まで。
藍田さんは1977年に同市足門町に工房を構え、99年に県指定重要無形文化財保持者の認定を受けた。伝統技術を受け継ぎながらも「板引き杢(もく)」など独自技法を開発、精力的に制作活動を展開した。さらに、国内外で江戸小紋染めを実演しその魅力を発信、後進の育成にも尽力した。
今展では藍田さんが染めた江戸小紋の着物や帯に加え、江戸小紋制作に使用される型紙や着物に仕立てられる前の13メートル以上にもなる反物、弟子による作品、写真、映像など約60点を展示。同里の西田真男次長は、「藍田さんは当館のある旧群馬町に工房を構え、生涯をかけて江戸小紋を追求しました。技と美の素晴らしさと共に、技術の伝承に力を尽くし多くの人に慕われた人間像も感じて欲しい」と話す。
なお、関連事業として今月30日午前11時と午後1時半から、藍田さんの一番弟子である田中正子さんの息子で、跡継ぎとして「藍田」を襲名した藍田愛郎さんが作品解説と型付けを実演。7月6日午前10時と午後1時半から、「ステンシル型染め体験」(当日30分前から受け付け。当日先着各20人)も。はいずれも参加無料だが入館料が必要。火曜休館。一般200円、大高生100円、中学生以下無料。同里(027・360・6300)へ。