1月20日は二十四節気の一つ「大寒」。1年で一番寒さが厳しくなると言われるシーズンだ。確かに、朝晩はしんしんと冷え、「寒い寒い」が口癖になっている。
でも、寒さが厳しくなる冬ならではの楽しみもある。群馬なら真っ先に思い浮かぶのが温泉。朝日新聞群馬版では、新年企画「あ~湯~(Are You)Happy!」と題し、温泉王国・群馬の各地を記者が訪れ、温泉と人を巡る物語を8回にわたって連載で紹介した。湯を守る人たちそれぞれの思いや人生に、心も温かくなった。
私の冬の楽しみと言えば、「湯たんぽ」だ。小さい頃から電気毛布ではなくて、湯たんぽ派。湯たんぽでじんわり温かくなったお布団に入る瞬間の幸福度は、寒ければ寒いほど高まる。からっ風に吹かれて身体は凍えるが、湯たんぽを作る時間を想像すると、ほくほくする。
かつては陶器製の湯たんぽを愛用していたが、ベッドから落ちて割れてしまうことが2度続き、今はゴム製のものを使っている。
冷え込む夜、台所でやかんを火にかける。しゅんしゅんしゅんと、湯気が上がり始めるのを待って、ゆっくりお湯を注ぐ。真冬の湯たんぽ作りの時間は、どことなく厳かだ。
そしてカレンダーを見ると、もう1月も終わる。もうすぐ2月4日、立春だ。次の日記の頃には、小さな春が見つかっているだろうか。それとも、まだ「寒い寒い」だろうか。
(朝日新聞社前橋総局長 宮嶋 加菜子)