立春が過ぎ、風や日差しに春の気配を感じることが多くなってきた。今年の冬も、終わるなあ……。20日、北京冬季五輪の閉会式を見ながら、そんな思いを強くした。
閉会式は、中国東北部・遼寧(りょうねい)省の瀋陽(しんよう)に暮らす友人と、オンラインでつなぎ、前橋の部屋でビールを飲みながら一緒に見始めた。とはいうものの、お互い話し出すとテレビそっちのけ。仕事の近況や、最近食べたおいしいもの、それぞれの暮らしの話題で盛り上がった。
瀋陽のこの日の最低気温はマイナス16度。まだまだ厳しい寒さが続いているという。餃子に、ごまだれで食べる焼き肉……。連日送ってくれる瀋陽での食事の写真に、群馬から1450㌔離れた瀋陽の、長く、寒い冬を思った。
話題は、五輪の公式マスコット、パンダをモチーフにした「ビンドゥンドゥン」に。五輪取材で北京入りした日本のテレビアナウンサーの発信なども話題となり、関連グッズが一気に品薄になったと聞いていた。
ネット通販が充実している中国では、ネットで手軽に欲しいものが検索でき、購入できる。特に、最大手のアリババが展開する「淘宝」は 、国内外のありとあらゆるものが商品として並んでいる。今年の冬の思い出に、ビンドゥンドゥンを一つ買おうかな、と、タオバオで検索してみたが、今も品薄状態が続く人気ぶり。3月4日から始まるパラリンピックの公式マスコット「シュエロンロン」と並んで、購入できるのは暖かくなった春になりそうだ。その頃には、一般公開の中止が続いている上野動物園の双子パンダ、シャオシャオとレイレイにも会えるだろうか。
(朝日新聞社前橋総局長 宮嶋 加菜子)