前回の総局長日記で、開催中だった第104回全国高校野球選手権群馬大会を支える「主役たち」を紹介させていただいた。高野連の先生や審判員の方々のほか、高校生たちの姿も伝えようと「続きは次回に」と書いてから、早3週間……。群馬大会は樹徳高校の優勝で幕を下ろしたが、「夏の主役たち」の姿は、やはり記しておきたい。
大会期間中、球場のグラウンドや観客席には「補助員」と呼ばれる野球部員たちが配備される。参加校野球部の部員たちが交代制で務めるのだが、その「業務内容」は実に多岐にわたる。グラウンドの整備やホームランボールの回収、ファウルボールが観客席に飛び込みそうな時は「ピーーー」っと危険を知らせる。群馬大会では毎日試合が終わると、スタンドに残されたゴミの回収も、補助員の部員たちが担当してくれた。
試合中のアナウンスを担うのも高校生たちだ。あまりに上手なので放送部員かと思ったら、野球部のマネージャーたちという。元マネージャーに聞くと「各校ごとに受け継がれるアナウンスの技があるんです」と教えてくれた。○○高校は歴代上手、など、その道ならではの、見どころならぬ「聞きどころ」もあるらしい。
群馬大会は終わってしまったけれど、6日に開幕した甲子園大会でも、補助員たちに注目だ。今年からは出場校の女子部員も補助員としてグラウンドに出る。たくさんの「夏の主役たち」をみつけてほしい。
(朝日新聞社前橋総局長 宮嶋 加菜子)