11月下旬、高崎市で開催された「親子で作文・スクラップ教室」に取材でお邪魔した。朝日新聞社が主催するこの教室。新聞を使って文章の読解力や表現力を学ぶ内容なのだが、私自身、改めての発見も多かった。
午前中の部に参加したのは、25組の親子たち。朝日新聞オピニオン面の「耕論」を読んで、自分の意見を200字以内でまとめる作文に挑戦するという課題に取り組んだ
記事を書いていていつも思うのは、短い原稿ほど、難しいということだ。新聞記事で短めの原稿の目安は、だいたい30行。12字取りで360字。この行数でニュースを分かりやすく書き切るには、しっかり取材してそのニュースの全容を正確に把握し、理解することが欠かせない。難しい行政用語や言い回しを正確に言い換える必要もある。短い原稿になるほど、「要するに、どういうことなのか」と自分の頭の中で事象を整理し、情報を取捨選択をする作業が大事になってくる。
だから、200字作文の課題は、とっても難しいだろうな、と思った。
でも、参加した小学生や中学生たちは、講師の「作文のコツ」を聞きながら、えんぴつをスイスイ走らせ、原稿用紙を埋めていく。自分の経験談も交えて、生き生きとした文章を書き上げていた。「次に作文を書くのが楽しみになった」と話す子どももいた。
「書く嬉しさ」「書く楽しさ」を忘れてはいけないな。そんなことを思いながら、会場を後にした。
(朝日新聞社前橋総局長 宮嶋 加菜子)