12月の楽しみと言えば、新年に向けての準備だと思う。私にとって一番身近な準備は、新しい年の手帳選びだ。アプリでスケジュール管理をする友人も多いが、私はずっと手帳派。新しい年の予定が入り始める11月ごろから、そろそろ新しい手帳を準備せねば、と気持ちがちょっと浮き立ってくる。
書店や文房具店にいくと、本当に様々な手帳が並ぶ。1時間ごとに予定を書き込めるもの、余白の多いもの、1週間の目標を事前に書き込むタイプのもの……。手にとって広げ、それを使う場面を思い浮かべながらの手帳選びの時間は、とても楽しい。手帳はただスケジュールを管理するためのものではなく、その時々の自分を客観視するツールでもあると感じる。
私が好きなタイプの手帳は、スケジュール管理用の後ろに自由記述できるページが多めのものだ。街を歩いている時に気になった景色や耳にした言葉、読んでみたい本の題名や行ってみたいお店など、備忘録として重宝している。1年が終わって少しくたびれた手帳をめくると、自分がそのときどんな事に興味があって、どんな気分だったのかも振り返ることができて、なかなか面白い。
そして、来年1年使う相棒を無事に購入した。最初に予定を書き込むときは、いつものことながら少し緊張するが、それが手帳の一番の楽しさだとも思う。1月の予定は毎年丁寧な字で書かれているが、2月、3月と進むとどんどん字が崩れていく。2023年はどんな予定が書き込まれていくのか。今から楽しみでもある。
(朝日新聞社前橋総局長 宮嶋 加菜子)