夏の主役たち [今年も暑い熱い夏がやってくる。第105回全国高校野球選手権記念群馬大会の組み合わせ抽選会が6月16日…]

今年も暑い熱い夏がやってくる。第105回全国高校野球選手権記念群馬大会の組み合わせ抽選会が6月16日、前橋市で開催された。会場には今年も大きなトーナメント表が設置され、独特の緊張感が漂っていた。

去年は私も緊張して会場をゆっくり見渡す余裕がなかったが、今年は日焼けした各校の主将たちの表情を見ながらの抽選会となった。番号のくじを引き終わった主将たちはステージを降り、客席に座って静かにじっと一つ一つ埋まっていくトーナメントボードを見つめている。どよめきも拍手も起こらない静かな時間が流れる中で、それぞれが対戦校との戦い方や、試合に向けての練習をイメージしているんだろうな、と、その横顔を見ながらこちらも気が引き締まった。

18日には、今大会の開会式で国歌と大会歌「栄冠は君に輝く」の独唱に臨む高校生の選考審査会も行われた。一人一人審査室に入り、独唱で歌い上げる姿は圧巻だった。緊張しながらも、練習してきた成果を出し切ろうと気持ちを込めて歌う一曲一曲は聞き応えがあり、あっという間の2時間だった。参加した20人のレベルの高さに驚き、また、「野球に打ち込む友達たちにエールを送りたい」と応募してくれた思いに胸が熱くなった。

開会式は明日8日。力強く入場する球児たちと、独唱でエールを送る高校生。夏の主役たちに出会える時間が、今から楽しみだ。

緊張感に包まれる高校野球抽選会
開会式の独唱者に選ばれた2人。取材にも堂々と対応してくれた

(朝日新聞社前橋総局長 宮嶋 加菜子)

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