夏色 [まだまだ暑い日は続いているが、朝晩の涼しい風に、今年も夏の盛りは過ぎたのだな、と少し寂しい気持ちになっている…]

まだまだ暑い日は続いているが、朝晩の涼しい風に、今年も夏の盛りは過ぎたのだな、と少し寂しい気持ちになっている。四季の中では夏が一番好きなので、お盆が過ぎる頃になるといつももの悲しく感じてしまう。

群馬は空気がきれいだからか、夏の太陽の日差しが空気中の不純物に遮られることなく、直接降り注いでくるようで、肌からシュンシュンとエネルギーをもらっているような気分になる。酷暑だったけれど今年もいい夏だったな、と少し早いが夏を振り返っている。

夏は、目にするものすべての色が濃くなってくる。特に、スイカは暑ければ暑いほど甘みは増すし、色みも強くなるように感じる(あくまで個人の見解です)。今年も実家の農園の黒スイカをネットで注文し、待ちかねて入刀した。実が詰まっているのか、みしみしと音を立ててゆっくり半分に割れた断面は、きれいな紅色。ジューシーで甘くて、カラカラの畑の中でなんでこんなに甘い水分をたっぷり蓄えるのか、本当にスイカはすごい作物だと食べる度に感服する。もちろん、作り手の苦労にも思いを馳せる。

夏野菜も、ピカピカしている。ナスにキュウリにトマト、オクラ、パプリカ……。見ているだけでビタミン補給されるよう。今年の夏は作り置き料理にも精を出した。ナスの煮浸しにパプリカの炒め煮、キュウリの酢醬油漬けにトマトソース。夏が過ぎても、夏の味はしばらく楽しめそうだ。

夏野菜たち。なんでこんなにきれいな色になるのか見とれてしまう
スイカ断面図
カットしたスイカ。とんがった先端に甘みが集中しているよう

(朝日新聞社前橋総局長 宮嶋 加菜子)

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