高校野球 審判の誠実さと責任感 [群馬県高校野球連盟の「責任教師・監督・顧問会議」が2日に渋川市で開かれ…]

群馬県高校野球連盟の「責任教師・監督・顧問会議」が2日に渋川市で開かれ、日本高野連審判規則委員長の尾崎泰輔さん(57)が講演しました。尾崎さんは本紙11月29日付スポーツ面のインタビュー企画「高校野球、アップデートしていますか?」にも登場。審判委員として心がけているのは「グラウンドティーチャーであること。高校野球ではグラウンドという『教室』にいる大人は審判だけなのです」と話していました。

今回の講演タイトルは「高校野球を未来につなぐために」。ユーモアを交えながら高校野球への深い愛情が感じられるお話で「高校野球の歴史はずっと先輩たちがつないできた。私たちの役割は先輩から受けたバトンを次の世代につなぐことでもある」と呼びかけました。参加者約100人は真剣に聴き入っていました。

私は前橋総局赴任前、大阪本社で全国高校野球選手権大会運営の仕事をしていました。「必死にプレーする選手を支えるため、私たちも必死です」。そんな審判委員の心意気を聞いてきました。ちなみに、尾崎さんとは大阪の行きつけの居酒屋さんが一緒で以前から存じ上げていました。

昨年春の選抜大会で、塁審の判定にミスがあったことを球審が認めて謝罪する珍しい場面があり、その誠実な姿が大きな話題となりました。その時の球審が尾崎さん。講演後に話した際、「自分は銀行に勤めていたが、社会ではミスをしたら顧客に対して誠実に、責任を持って対応するのが当たり前。高校野球でも一緒です」と話していました。高校野球とは社会の縮図なのだと改めて実感しました。

講演した日本高野連審判規則委員長の尾崎泰輔さん
講演に聴き入る参加者たち

(朝日新聞前橋総局長 八木 正則)

 

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