不透明さを増す時代に [2024年は、まさに波乱の幕開けとなりました…]

2024年は、まさに波乱の幕開けとなりました。能登半島地震や羽田空港の日本航空と海上保安庁の航空機事故。地震の被害は刻々と悲惨な状況が明らかになっています。群馬県内からも自治体による被災地支援が始まっています。前橋総局からは発生直後に記者1人が被災地取材に駆けつけました。また、国政では自民党の派閥パーティーをめぐる裏金事件からも目は離せません。不透明さが増す時代に、しっかりと先を見据えることが大切なのだと思います。

13、14日には、大学入学共通テストが実施されます。文部科学省によると、49万1913人が出願しました。受験生にとってお正月気分ではなかったことでしょう。能登半島地震で被災した受験生については追試験を受験できるようにすると発表されましたが、不安の大きさはいかばかりか。

今年で3回目となる大学入学共通テストは「問題文や量が多い」「単純な知識ではなく思考力を問う問題が多い」といった特徴が挙げられています。今回がどうなるかは結果を見ないとわかりませんが、特に「思考力」が重視されるのは、導入前から指摘されていました。

世界を見ると、ロシアによるウクライナ軍事侵攻は激しい攻防が続き、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区侵攻も深刻化しています。国内外で複雑化する時代を担う若者たち。もちろん、志望大学合格という結果も成就してもらいたいですが、生きていく根本となる思考力を磨いてほしいとも願います。拙宅でも高校3年生の息子がおり、勉強に打ち込む彼の姿を見守りながら、そんなことを思いました。

大学入学共通テストの受験票に書かれた注意事項

(朝日新聞前橋総局長 八木 正則)

 

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