部活に取り組む県内の中学高校生の笑いあり、涙あり、明るく、元気に、真面目に、がむしゃらに…仲間とともに過ごす青春の1ページを全力MAXで紹介します!
尾瀬の貴重な動植物の魅力を守り、伝えたい
自然環境科 2年
部長 小宮 晴太
私たち尾瀬高校理科部は2年生14 人、1年生15人の計29名が所属しており、「調査活動」と「交流活動」の2つの活動を柱にして取り組んでいます。
調査活動では、本校周辺をフィールドに、テーマごとの班に分かれて自然調査を行っています。学校は尾瀬国立公園の南部の利根町というところにあり、尾瀬と同様にミズバショウなどの貴重な植物が自生していますが、近年、シカによって食べられてしまう食害が大きな問題となっています。そこで理科部では夜間にライトを照らしてシカの発見場所と数を記録し、生態を調べています。時には数十匹のシカの群れを見るなど、とても貴重な経験をすることができます。この他にも、近隣の池や田んぼの水生生物、菅沼(片品村)という湖に生息し特定外来生物に指定されているウチダザリガニ、天然記念物であるヤマネなどの生態調査などを行っています。そして、調査結果は県の研究発表会や学会などで発表をしています。
交流活動では、環境省や地元企業の方々と協力しながら、尾瀬ヶ原の植物をシカの食害から守るためのシカ柵の設置や、尾瀬国立公園内の植生回復活動を行っています。また、地域のイベントなどでは、ネイチャークラフトやクリスマスリースづくりなどのワークショップを開催。さらに、参加者が自然に興味を持ってもらえるよう月に一度、自然遊びや伝統文化の体験イベントを学校で開催しています。
どの活動も尾瀬高校理科部でしか体験できず、その中でより深く自然を知ったり、地域の方々と交流したりできるのは大きな魅力です。これからも地域の自然を探求し、その魅力を多くの人に伝えることを目標にして引き続き活動に取り組んでいきたいです。
県理科研究発表会審査員奨励賞受賞
地元の方と協力し 貴重な水生昆虫の保全活動
自然環境科 2年
石井 遥
私たち水生昆虫班は主に校内にあるビオトープや、利根片品地域の湿地・休耕田の止水環境を調査しています。昨年度の活動では、農業開発によって失われる湿原を調査し、そこでは貴重な水生昆虫が多数見つかりました。
その中には、群馬県初記録となるコガシラミズムシの一種も含まれます。そこで、私達は地元の方のご協力のもと代替地をつくり保全活動を始めました。この調査に携わり地域活性における農地開発と自然環境保全の両立の難しさを痛感しました。この活動について発表した「第69回群馬県理科研究発表会」では、審査員奨励賞を受賞しました。私達にできることは限られていますが、この素晴らしい環境が多く残る場所を守っていけるよう、これからも活動を続けていきたいです。